エキサイティングリーグ・パ!



●甲子園への遺言

誰がどう見ても、今日びのプロ野球はパ・リーグが断然おもしろいと思うのだが、そう感じるのは私だけかもしれない。とはいえ、この本は、あらゆる「やきゅう好き」な人に一読していただきたい。特に1970年代〜90年代なかばを見てきたオールドファンには堪えられない内容のはず。

高畠導宏という人の知名度は、おそらくものすごく低いに違いない。そもそも現役選手としては碌な成績を残していないからだ。だが卓越したセンスを野村に買われ、29歳のときに南海ホークスの打撃コーチに就任する。その後は野村や江夏といっしょに南海を追われる形でロッテに。さらには野村とも袂を分かってしまうが、ホントにもう、ものすごい選手たちを一人前にしていくのである。

誰でも知っているところでいうと落合やイチロー。教え子が多いロッテでは首位打者を取った高沢に西村、あとは福浦やサブローも薫陶を受けている。小久保もかな。関係ないけど、「あぶさん」にもよく登場していた。

まあそれだけだと、単なる名コーチだねってことで終わるんだけど、この人のすごいところは、50代なかばで一念発起して、高校教師の資格を取って甲子園を目指すところだ。こう書くとピンとくる人もいるかもしれないが、昨年NHKでドラマ化されていた「フルスイング」の原作本がコレである。元近鉄の吹石・奇跡のムスメであるところの吹石一恵も出演しておったな。

久しぶりに、すごくいい本を読んだ。野球は本当に面白い。

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